2004/02/26
■デルフィニア戦記 第二部( 茅田砂子 )
第二部が五巻から七巻の三冊なので、まとめて書きます。いえ、第二部がこの三冊なのかは定かじゃないのですが、内容としては、このあたりがひとまとまりなんじゃないかと思います。銀色が登場して、デルフィニアが他国とうにうにして、エンドーヴァーさんも出てきたりしちゃって、で、リィとウォルが・・・・ね。読んでると、もー、たまりません。もしかしてこれはロマンが全開な小説なのでしょうか。ロマン?これはロマンなの?え、ロマンス?浪漫?全部一緒ですか?イメージ的に、いわゆるハードボイルドな男の浪漫と、乙女チックな恋愛ロマンスの二方向がうまく合わさってる気がします。冷めて読むと、けっこう脱線している部分も多いのですが、全体はうまいですね。あと、こういう小説は美形の超人が多いのは当たり前だとわかってはいるのですが、やっぱり全員出来がいいのは・・・うーん。あ、個人的に一番好きなキャラは、バルロです。バルロの嫌味っぷりが大スキです。

2004/02/15
■六枚のとんかつ( 蘇部健一 2002/01
え、これメフィスト賞受賞作なの?ほんとに・・・?くだらな・・・・。いやはやなんとも。個人的には別に読んで損したとかそんな気分ではないのですが、賞をゲットするほどの大作かというとどうも違う気がしてしまいます。受賞してしまった本人が一番びっくりでしょうから、あんまり責めないように。割とキャラクターとか、会話のリズム感とか好きです。保険会社の社員を主人公の探偵役にして。保険がらみの事件を取り扱うという発想はいいですよね。馬鹿馬鹿しくてよかったと思います。

2004/02/10
■転生( 貫井徳郎 1999/07
移植手術を受けた人がドナーを知っているはずがないのに、ドナーの趣味とか癖とかうつってしまったかも〜という話です。割とおなじみのネタですね。これが出版された1999年に斬新だったかというと、そんなことはないのではないでしょうか。おもしろいにはおもしろいのですが、やはり、ホームラン的なたっとばしたおもしろさではなくて、妥当な線で出来がよい程度のおもしろさです。奇抜キャラの如月君の活躍が薄いのが無念。ところで、ドナーカードってどれくらいの人が持ってるものなのでしょうかね。そして持っていたところで、即死では役に立たなくて、うまい具合に脳死にならないとダメなわけで(って考えると複雑な意思表示ですよね)。自分の内臓を自分が必要としなくなったとき、もし欲しがっている人がいるなら、あげたっていいじゃないですか。まず、命のリサイクルの意思表示をするチャンスが、圧倒的に少ないんじゃないでしょうか。学校でドナーカード配って、実際に移植手術を受けた人の話でも聞かせて、「名前を書くかは君達の自由です」くらいのことをすればいいと思うのですが。(ちなみに、ここまで言っておいて私はドナーカード持ってませんが)

2004/02/05
■上と外( 恩田陸 2003/02 
うう。面白い。恩田陸はこういう長編を書かせると、やっぱりいいもの作りますね。短いと、けっこう設定が押し付けがましいときが多いのですが、長編になればなるほど味わい深い作品が増えてきています。私は、恩田陸はどことなく「謎」の扱い方にセンスがあると思っています。文章は緻密で、むしろしつこいほどなのですが、割と読みやすいのでページを進めていくと止まらなくなってしまいます。今回の話も、個人の内面の諸問題から人と人との関わりまで、とにかく「人間」が描かれていました。少年と少女が主人公でその親もメインではあったのですが、個人、家族、国家までを網羅した、ミクロでマクロな作品だったのではないでしょうか。小説とはいわば、人間劇。設定条件の中で、いかに「人」が動き回るかが面白いのでしょう。その意味で、恩田陸の長編作品は、上等な小説だと思います。あー、べた褒めしちゃった・・・。



















































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