2003/09/27
■セカンド・ショット(川島誠 2003/02
・・・・・これは児童文学?どうしたことがさわやかさが皆無ですね。どこか斜に構えてる雰囲気。9個の短編のうち、ぐぐっときたのは「電話が鳴っている」でしょうか。オチが暗い、のが、よかった。こういう落とし方をされるのが、やはり私は大好きみたいです。全体的には、えー、男の人が描いた、少年時代のアレコレ、という感がありました。どこがどうというわけでもないけれど、男性的な捕らえ方という印象が。妙に現実的で諦観気味で厭世的で。いや、違うか。そういうテーマで少年少女を書く女性もいるだろうし。作者が、少年のもつ美しさも汚さも全て込みでリアルに描こうとしていたのが、多分イヤでした。読後の、なんともいえないかったるい感は、作者が意図的に催させたかったものなのかもしれません。

2003/09/26
■四季 春(森博嗣 2003/09
丁寧に読んだつもりだったのですが、いまいち内容を把握できてないところがあります。むぅ。大筋はつかめるけど。それにしても四季は天才なんですね。あ、いろいろ、おいしいキャラクターが出演してて、ちょい嬉しかった。四季が4歳から13歳までの話が今回の『春』なので、次作の『夏』では両親に対する例の行動が描かれているのでしょうね。楽しみです。天才は何を思うのか。今回の終わり方を見ると、「ぼく」が語る形式ではなくなるような感じです。この春夏秋冬が完結して、Vシリーズも、S&Mシリーズもさらなる完成にはまり込むのでしょう。森博嗣。大好き。

2003/09/25
■ZOO(乙一 2003/06
・・・・・感激した。天才だね。乙一、天才。このセンス。あなた、キューブリック?この狂気はなんですか。天才だ。収容されている短編10作のうち、『SEVEN ROOMS』が最高に素晴らしかった。いい。これ、いい。すごい、いい。ぶっちぎりで褒め称えたい。私好みのど真ん中をついてきたらしい。乙一のセンスは不思議と心地よいです。コミカルとシリアスの織り交ぜ方。クレイジー。シュール。うーん、パターンとしては世にも奇妙な物語みたいなものか。おかしい設定があるのにこの切り取られた空間じゃそれは成立していて違和感なし、みたいな。あと、「乙一(おついち)」と書いて「Z−(ズー/zoo)」と読む、この馬鹿っぷり。どうなんですかー?

2003/09/24
■二人の眠り姫(茅田砂胡 2003/03
っ!やったー。あの人が登場したー。満足。満足。まったく、この二人は、なんという関係なんでしょうかね。これ愛ですよね?愛なんですよね?彼等流の愛なんですよね?ロマンス満載。これってラブコメに属するんですか?やっぱり近未来SF?それとも、一応異世界絡んでるしファンタジー?ずいぶん隠し味が多くて、たいへんおいしゅうございました。また引きが上手いんですよね。ゾクゾクします。早く次の巻を・・・!!

2003/09/22
■ドグラ・マグラ(夢野久作 1976/10
長かった。この長さ。ミステリーとして読んでいたので、ミステリーとしてこの長さは無駄な気がしました。雰囲気はいいんですが。このエログロで静謐な湿っぽさというか。ミステリーとして読まなければよかったのかもしれません。最初の一行と最後の一行が「ボーン」という時計の音なのですが、この音を中心に考えると、時計が二回なる一瞬の間に主人公はこの長い長い夢を見たのだ、と思うことができるそうなので、そういうことにしておきたいと思います。全ては夢でした、と言われると納得できる。
そうそう、私の読んだ『ドグマグ』(三一書房)では、なにやら解剖シーンで伏字が連発されていたのですが、それがどうしてもどうしても気になったので、他の出版社の出している『ドグマグ』とつきあわせてみました。伏せられていたのは「ズグリ」という擬音語や、「抉る」という動詞などでした。この程度で伏せるなよ!!伏せるほどのものじゃないよ!!どうも文字を伏せられると、伏せなくてはならないほどのレベル以上の言葉というものを逆に想像してしまいませんか?この程度の伏字には納得がいきませんでした。

2003/09/19
■海賊王の帰還(茅田砂胡 2002/12
タイトルがいつ実現するのかこらえにこらえて読み進めたところ、ラストほんの数ページで漸くコトが起こりました。やったー!!もう、暁の天使たちシリーズというよりは、完全に例のシリーズの続編でしかないですね。190cmを超えるあの人とあの人、そして機械のあの人、この三人が絡めばもうボルテージはマックスです。まだそのうちの一人が寝起きな状態でしかないのですが。次の巻ではどこまで進むのか。図書館で予約取寄してこのシリーズを読んでるのですが、次の巻はまだ手に入っていません。くっ。はやく読みたい〜。

2003/09/18
■神々の憂鬱(茅田砂胡 2002/07
暁の天使たち2作目。おっと、漸く、例のシリーズと絡みだしたようですね。満足です。はやく、あのお二方が見たい。次巻では、きっと勇ましい姿を拝見できると信じています。

2003/09/17
■暁の天使たち(茅田砂胡 2002/03
なるほど。こういうスタートを切るわけですね。作者は「これは新作だ」なんて言いつつも、私は例のシリーズの続編として読む気満々です。なんの不満もなく読み進められました。例のシリーズは、あそこで完結したからよかったのに、穿り返したら台無しだ、という意見はあとがきを読むまで考え付きもしませんでした。とはいえ、ほとんど例のシリーズの主要キャラはでてきてないのですが・・・。今後に期待します。

2003/09/13
■聯愁殺(西沢保彦 2002/03
うーん。微妙。気に食わないのが主人公。概ね主人公が語り部としての役を担っているわけですが、主人公の性格が非常に私の神経を逆立たせるのです。きい!人のことジロジロ詮索するわ媚び諂うわ被害者ぶるわ、クドイ。毅然としろ。ムカー。こう、事件を考察するため集められた名探偵(もどき)が、次々推理を披露しては悉く崩していく、という形式にですね、私は魅力を感じないわけですよ。純粋なミステリは実は嫌いかもしれません。何か一つ、読者用の仕掛けがあれば満足です。だから、オチはあれでいいのですが。しかし、まぁ、つっこみたいところは・・・・。いいや。前に読んだ『七回死んだ男』のほうは私の好みだったんだけどなぁ、期待しすぎました。

2003/09/11
■イリヤの空 UFOの夏 その3・その4
 (秋山瑞人 2002/09 2003/08
後半はずいぶんシリアスになっていきましたね。このあたりから、ちょっと「エヴァンゲリオン」のコクと「最終兵器彼女」のキレが入ってきていたように思えてなりません。ラストは、微妙でしたがいいんじゃないでしょうか。主人公の、このUFOの夏を終わらせるとかなんとかの決断なんか、とても青春めいてて素敵ですね。もう少し、入里谷の説明が欲しいところですが。

2003/09/10
■イリヤの空 UFOの夏 その1・その2
 (秋山瑞人 2001/10 2001/11
なんだろう。こう、電撃特有のプリプリした感じ?を受けたのですが。偏見でしょうか。すみません。イラストのせいかもしれません。いや、好きですよ、けっこう。だって水前寺がいるから。頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能を取り揃えておきながらの奇人変人というこのお方。わーわー。この点も含め、こう、全体としてお約束を踏まえているのかわかりやすすぎるのがちょっと気にかかるかも。平凡な中学生の主人公浅羽、そんなこいつにホの字なクラスメイト晶穂、その二人が所属する非公認部新聞部の部長である超人水前寺、ここに謎の転校生入里野が入る、と。謎の転校生、ね。謎の。はは。いえ、OKですよ。がんばってください。個人的に晶穂が嫌いです。入里野は微妙です。これは萌えを誘うキャラなのではないかと、私は推測するのですが、どうでしょうね。あ、そういえば、『フルメタルパニック』のアレンジヴァージョンに見えて仕方が無いのですが、その点も気になって気になって気になって気になって。

2003/09/08
■迷宮百年の睡魔(森博嗣 2003/06
『女王の百年密室』の続編。ミチル&ロイディのコンビはけっこう好きかもしれない。S&MもVも終わってるから、今度はミチル&ロイディでM&Rシリーズでもやってほしいです。それにしても、やはり森博嗣は私にとって癒しですね。森博嗣的天才像は、私にはジャストミートパンチ。天才キャラが、どの小説でも一定の性格だけど、そんなの全然気になりません。大スキです。女王サマ、かっこいい。トチ狂った王子には好感が持てませんでした。ロイディのぎこちないながらもひたむきな感じがツボです。『四季』も早いうちに読みたいなぁ。

2003/09/01
■富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター
 (秋月こお 1994/03
 あんまり感想書きたくない・・・。とりあえず、レベルと方向の両方において、私の嗜好ベクトルには合いません。嫌悪感とか覚えるわけではないですが、なんら感性に引っかからないです。ほう、これが世に名を馳せるフジミか、と。そんなもんです。多分、私の嗜好は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。うーん。ねぇ。こんなにストレートじゃないし。ある意味ストレートだけど、フジミみおける少女漫画的アレな展開では動じないというかなんというか。もうちょっとさ・・・・・・・・・・・・・・・・ね。というまとめ方じゃ、ダメですかね。なんか、疲れます。

2003/09/01
■盤面の敵(エラリイ・クイーン 1977/11
 え。エラリイは親子話なんだね。初めて知りました。通常、探偵とかなんとかは警察とのコネをどう築くかという点で四苦八苦するはずなのに、エラリイは、親が警察という血縁関係でさらりと終わらせているというあたりが悔しい。うぬー。別にいいですがね。この、盤面の敵、つまり犯人についてはですね、んー、意外といえば意外なわけで、王道といえば王道なわけで、要するに古典的だったというだけでしょうか。このパターンは今は使い古されているし(もしかするとこの書がこのパターンの原点だったりするのかもしれないけれど)、今はもっとサイコ仕立てに派手な演出を加えたバリエーションのほうが見栄えするから、これはやはり地味に見えた。ま、エラリイのもったいぶった仕草とかは好きですが。

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