2003/08/26
■慟哭(貫井徳郎 1999/03
 予想範疇内だったので至極残念。これ、気づく人は多かったのではないかと思いますね。だって、このパターンだったら、オチは3つくらいじゃないですか。「彼」とか「警察官」とか「目的の子供」とか、代名詞ばかりで構成されている箇所は、必ずミスリードがあるんじゃないかと、疑って読んでしまう私。固有名詞を使う章と、代名詞を使う章と、使い分けがきっちりしすぎていて・・・どうも見えます、伏線が張られまくっているのが。それを乗り越えて「やられた!」と思わせてくれることを期待していたんですが、私の中のオチ予想その2くらいの結末になってしまいました。全体としてはいい。いいんですが。なんですかね。

2003/08/25
■不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ(パトリック・オリアリー 2003/05
 SF?だよね。テーマは愛?だよね。最初は意味がわからなかったけど、割と好きなストーリー。兄弟がお互いと記憶を探してウロウロしている話。中盤がクライマックスだったように思えた。そのあたりまでは、視点が兄→弟→兄→弟→・・・ときて、二人の邂逅、と、映画的なグラフィックスを保っていたんだけどなぁ。後半の展開が疑問。ラストは納得したんだけど。でも、設定はかなり好き。

2003/08/20
■陰摩羅鬼の瑕(京極夏彦 2003/08
 おんもらきー。購入から読了までに時間がかかってしまった・・・。なんというか、今回のは質量共に軽くなりましたね。犯人当てだのトリック説明だのの、ラストのカタストロフィーがそれほど驚嘆させられなかったのでちょっと残念。見えてた感がある。むぅ。まぁ、久しぶりのシリーズモノ最新刊ということで。満足はしましたが。というか、路線が変わったのか?なんだかエロ設定が連発してはいなかったか?フィルター効果?こっちがフィルターかけてないのに、むこうからフィルターをかけて読んでくださいと言わんばかりの展開をなさってはおられませんでしたか?気のせいならいいのだが・・・。

2003/08/19
■さみしさの周波数(乙一 2002/12
 なんでしょうか。乙一、好きですよ。もちろん。なんでかな。大声で好きだと言ってもいいんですが、乙一好きって病んでるみたいですかね?偏見ですかね?ニュー・エイジ特有のどっか壊れてる風って印象が強いんですが、乙一作品。そんなことはないでしょうか。そんな壊れ具合がいいんですよ。ダメですか。この路線で主張すればするほど作者と自分を貶めていきそう。乙一のセンスは、誰にでも通じるわけではないだろう。あの暗澹と輝く世界は、嫌いな人は嫌いそう。そんな感じ。私は好きですが。

2003/08/18
■七回死んだ男(西沢保彦 1995/10
 うん。七回死んだね。この作品、一言で言って、好きですよ。設定にムリあるけど。小説だし、いいんじゃないかな。ラストとかの仕掛けがよい。主人公の、投げやり加減もいい。探偵でもないのにね。格好よくもないのにね。なんだか、ウケた。面白かった作品ってあんまり語れないなぁ。面白くなかった作品はむしろ長々と語れるのに。これ、面白かったんだもん。

2003/08/17
■PINK(柴田よしき 2000/19
 なにがピンクなのかといえば、アレがピンクだったんだろうが。ピンクというかなんというか。オチはよいです。よい。いや、悪くは無い。まとまってていいんじゃないでしょうか。主人公の周りにおこる謎、その解明に乗り出して、挙句の果てにたどり着いた真実。その点では、まぁ、ありえなくは無いレベルでのありがちな線であったので・・・・。この作者のは、読みやすいし、謎の提示がうまいから、さくさく進むんだけど、ラストのまとまりがまとまりすぎてる感があると思う。安定していていいんだけどね。もっと、飛び出せそうなものなのに、キレイゴトで終わろうと収束するので、こっちは弱冠萎える。まあ、いいんですが。

2003/08/16
■半落ち(横山秀夫 2002/09
 ・・・・・・。これ、ミステリー?謎はあるけどさ。探偵小説じゃなかったんだね。犯罪小説ではあるけど。あと、感涙モノではあるんだけどね。不覚にも感動するから悔しい。「このミス2002」で一位だというから、かなりの期待を寄せていたんだが・・・。違う方向でやられたというか、私の求めていた衝撃ではなかったのに衝撃を受けてしまい困惑気味というか。ミステリーじゃないだろう。2時間ドラマものだろう。火曜日とか土曜日とかの夜九時から放送しそうだ。うーん。うーん。おもしろい、というよりは、やられた、という感じ。普段は予想外のオチがあってこそ楽しめるものなんだが、こう、これ、この本の場合は、ハマりすぎというかなんというか。なんか、悔しい作品でした。

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