2003/12/26
■ZOKU(森博嗣 2003/10 
森博嗣はもう何を書いてもとりあえず売れるという特権が与えられているのでしょうか。これ、無名の新人が出したらボロクソに言われそうな内容かもしれません。森博嗣が書いたからおもしろいのであって、もしかすると、全然おもしろくはないのかもしれません。私は個人的に、爆笑して読めたので、評価は高いですが。噛み合わないセリフの応酬が愉快。意味のない展開もほほえましい。これは、京極の「どすこい」並に遊んだ作品ですね。作家がこういった作品を出すことでおどけてみせても、ファンは全然許してくれるのでしょう。ゆ、許せない!なんて作品は森博嗣は出さないと確信しています。まだいけるって、森博嗣は。ね。

2003/12/22
■鉤(D.E.ウェストレイク 2003/05 
何が鉤だったのかいまいちわかっていませんでしたが、解説を見て漸く分かりました。「hook」の意味がですね、訳されてしまうとどうもストレートに表現されなくなっていまして、むしろ私の理解能力が低いとか注意力が散漫であったとかそういう力不足というわけなのかもしれませんが、まあ分かりにくかったわけです。全体としては面白かったです。心理劇。非常に緻密に描かれていて、感心しました。二人の人生の逆転する過程がダラダラ長かった気もしますが。あと、なぜ、こんな荒い犯罪が世間に露呈しなかったのか不思議でなりません。警察ももっとがんばって欲しい。そして真相に迫りに迫って、登場人物たちをもっと追い込んでほしかったです。あとは、いいんじゃないでしょうか。ラストもああなるべくしてああなっているのでしょう。

2003/12/19
■山ん中の獅見朋成雄(舞城王太郎 2002/09 
舞城の何をしたいのかわからないうちに有耶無耶にもベクトルを上向きにだけはしておいて終わってしまおう感がよく出ていたと思います。褒めてないです。というか、わかりません。馬鹿馬鹿しいくせに妙に生々しいその書き込みは舞城らしくネチネチしていてよかったのですが・・・。グチャグチャしたものを見せ付けたい、スッキリなんて書けない、そういうスタイルなんでしょうね。それはよいのです。なんでしょうか。案外、舞城作品で訴えていることは、基本的に「色々あるけど、頑張っていこうかな」的な希望物語が多いんですよね。だから、粘着質なセンテンスに対してテーマが陳腐というか。もっと腐った文章に相応しい腐ったテーマを用意すべきです。なんだか、ひどい言いようですが、舞城はもっと腐るべきだと思います。

2003/12/17
■夏と花火と私の死体(乙一 2000/05 
ああなるほど。これは話題になりますね。そりゃそうですね。いい発想しますね。語り部がー。語り部がー。シュールなくせにリリカル。驚かされます。オチは予想外でしたが、乙一らしいなぁと思いました。登場させたキャラクターを無駄なく使うのが彼の手法だったと、ラストを読んでから思い出しました。それくらい、語り部の特殊な設定に高揚していたのかもしれません。健くんは、小5のくせに頭の回転がよすぎると思いました。大人たちももっと賢く!

2003/12/15
■魔人の遊戯(島田壮司 2002/08 
御手洗さんたら。ね。いいのですよ。かっこいい探偵がいれば、探偵小説は成立です。不足はございませんよ。意外な犯人というオチもベタな気がするけれどばっちりです。御手洗さんは今、おいくつなのでしょうか。それが気にかかります。早く日本にいる 石岡君のところへ戻ってあげてください。もしくはレオナさんと一悶着起こしてほしいところです。

2003/12/08
■異国伝(佐藤哲也 2003/09 
「愛情の代価」「威光の小道」・・・「ンダギの民」と、「あ」「い」・・・「ん」までの50音順にタイトルが並んでいるのがポイントですか。必ず「○○の□□」ってタイトルで、地図にも載っていない誰も知らない小さな国の話を45個連続でかまされました。特に好きだったのは「海老の逆襲」「掘削の技術」「死後の評判」「不明の理由」でしょうか。他の話は、タイトルを言われても、あったっけ?って思っちゃうのもあるのが残念。45話ほとんど均質な語り口調で、内容が頭を通過して終わりがち。「あ」から「ん」までの45話書こう、地図にも載っていない小さな国の話を45個書こう、その試みはナイスです。45個もネタがあふれ出したのか、しぼりだしたのかはわかりませんが、45個なら45個に、50音順という以外にも関連性をもたせて欲しかったかな、と。ある国が隣国と戦争をしたという話なら、後にその隣国に視点をすえたバージョンの話を書くとか。色鉛筆をグラデーションに並べたような美しさを、目次を見ただけで感じはするのですが、一話一話はなあ。なぜ、海老がいっぱいでてくるのでしょうか。

2003/12/03
■女王と海賊(茅田砂子 2003/07 
もうこれは、暁の天使たちシリーズではないですね。完全にこのタイトルの通り、女王と海賊のためにあるシリーズですね。この二人のラブラブぶりには涙がでます。私はこういう形の愛が好きなのです。これって愛なんですかね。強いて言えば愛というか。お互い相手のことばっかりで自分のほうに手がまわってないんですかね。どうして胸倉をつかんでいるシーンがこんなに愛で満ちているのかわかりません。あ、どうやら、最新刊が最近出たらしいです。図書館予約だといつになるか・・・。こうなったら、買うか!?今年金を出して本を原価で買ったというのは、わずか4冊。早く続き読みたいしなぁ。

2003/12/01
■撲殺天使ドクロちゃん(おかゆまさき 2003/04 
それほどでもないですね。ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜が頭をまわるにはまわるのですが。要するに、原液だ、というだけであって。萌えの。これに100%素直にズキュンな人っているのでしょうか。持て囃しはしたものの、そういう時代性だからという程度であって、熱心なピュアラブじゃないでしょう、ね。ね。やっちゃったー、くらいの。ヒロインのドクロちゃんの、顔はあどけない少女なのに身体は十分発育した大人の女性であるという、このアンバランスの典型っぷり。あ、でも、もっとストーリー性を無視しているのかと思っていたけれど、意外と筋が通っていました。パターンを押さえるためだけの動きも多かったですが。ラストは意味不明でした。んー?あ、あと、ドラえもんとターミネーターを足して萌えで割るという設定にはげんなりしちゃいましたけど。ちなみに、私のぐっときたポイントは、サバトちゃんの4コマ。あれは素晴しい。しかもあの4コマがなければ、本編の意味が分からないところがあるという点。すげー。4コマ、偉大なり。そういえば、注目に値したのが、12歳という年齢なのですが。12歳が萌えなんですか。12歳の少女というのが、最も萌え欲を刺激する年齢ということなのでしょうか。12歳なのか。12なのか。なぜですかー。12歳に何を求めているんだー。
ところで、これの、少年版というのは出ないのでしょうか。登場人物の性別をひっくりかえしたバージョン。世の中のそんな感じの女子にウケるのかどうか。ウケないと思いますけど。


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